2014/10/02

上海 万里の長城(PS版)

上海 万里の長城(PS版)
ソニー・コンピュータエンタテインメント / Activision / サクセス
プレイステーション

麻雀牌を使ったパズル、上海シリーズの作品「上海 万里の長城」のPlayStation版。PS版独自の音楽も良く、30ステージ異なるパターン背景と、クリアすると出現する22種類のクリア写真、タイトルやジャケットなど、全体的にスタイリッシュな雰囲気に統一されている。


クラシック上海、グレートウォール、北京(ベイジン)、青島(チンタオ)という4種類のゲームが入っている。各ゲームのルールは、スーパーファミコン版 上海 万里の長城に。

スーパーファミコン版 上海 万里の長城
サターン版 上海 万里の長城

上海 万里の長城 クラシック上海 1/3 天下第一関(1)~第十関(10) 配列図一覧
上海 万里の長城 クラシック上海 2/3 第十一関(11)~第二十関(20) 配列図一覧
上海 万里の長城 クラシック上海 3/3 第二十一関(21)~最終関(30) 配列図一覧

上海 万里の長城 グレートウォール 1/3 天下第一関(1)~第十関(10) 配列図一覧
上海 万里の長城 グレートウォール 2/3 第十一関(11)~第二十関(20) 配列図一覧
上海 万里の長城 グレートウォール 3/3 第二十一関(21)~最終関(30) 配列図一覧

上海 万里の長城 北京(ベイジン)配列図一覧

■音楽

PS版は原版(アーケード版・スーパーファミコン版サターン版)と異なる音楽になっている。原版も音楽が良いゲームで、PS版の音楽も良い。

PS版では全体的に笛系統の音色がとても良く美しい。

上海から離れるような曲調の曲も多く、クセの強い曲もあったりするが、総じて聴くほどに味のある音楽で趣がある。

原版がゲームミュージック的アプローチで、PS版はミュージックアルバム的アプローチでどちらも最善を尽くしている。

PS版では、音楽がCDからの読み込みとなっている。そのため、あるところで曲を読み込み直さなければならない。そこでわずかに無音部分ができることになる。PS版の上海 万里の長城ではその際にどの曲もフェードアウトせず、必ず曲を完結させるつくりになっている。

曲の配置も大きく異なっている。原版では1ステージごとに曲が変わり、それが2ループから3ループするかたちになっている。それに対して、PS版は、2ステージ(1箇所のみ3ステージ)同じ曲が続き、それが先に進むにつれて曲が変わるようになっている。

そのため、PS版では、万里の長城に沿った旅を思わせるような曲の流れを感じる。

ちなみに青島(チンタオ)ではさらに別の曲が使われている。1本目と2本目は同じ曲だが、3本目では違う曲になる。その3本目の曲もとても良いので、コントローラーを2つ使い(PS版では1つしかコントローラーが接続されてなくてもチンタオができるので、1つのコントローラーを挿し直すことも可)、交互に操作して勝って聞くのも驚きがある。

■曲とステージ

●1曲目
天下第一関【山海関】
第二関【八逹嶺】

●2曲目 (B.G.M. A)
第三関【洛陽】
第四関<ボーナスステージ>

●3曲目 (B.G.M. B)
第五関【桂林】
第六関【九龍壁】

●4曲目 (B.G.M. C)
第七関<ボーナスステージ>
第八関【香妃墓】
第九関【明考陵】

●5曲目 (B.G.M. D)
第十関<ボーナスステージ>
第十一関【兵馬俑】

●6曲目 (B.G.M. E)
第十二関【関陵】
第十三関<ボーナスステージ>

●7曲目 (B.G.M. F)
第十四関【円通寺】
第十五関【涅槃像】

●8曲目 (B.G.M. G)
第十六関<ボーナスステージ>
第十七関【大観楼】

●9曲目 (B.G.M. H)
第十八関【黄布灘】
第十九関<ボーナスステージ>

●10曲目 (B.G.M. I)
第二十関【多聞塔】
第二十一関【北京】

●11曲目 (B.G.M. J)
第二十二関<ボーナスステージ>
第二十三関【少林寺】

●12曲目
第二十四関【関羽像】
第二十五関<ボーナスステージ>

●13曲目
第二十六関【抗州】
第二十七関【碑林】

●14曲目
第二十八関<ボーナスステージ>
第二十九関【八逹嶺】

●15曲目
最終関【嘉峪関】

■ステージ背景とクリア写真

PS版では、ステージ中は30ステージ異なる背景がバックにある。パターンを敷き詰めたようなグラフィックで、色合いやデザインのアート性が高い。

そして、ステージクリアすると、その背景が崩れたりばらばらになったりしながら画面から消えて、その下から、サターン版同様の21写真+ボーナスステージのクリア写真が見れるという演出になっている。

クラシック上海は、3種類のステージクリア演出が順番で登場する。そして、グレートウォールとベイジンにはクラシック上海と異なる共通のステージクリア演出がある。

ボーナスステージがあるステージでは、どれも同じクリア写真になっている。
八逹嶺は第二関と第二十九関にあるが、この2つの写真は異なるものになっている。

オリジナルモードでは、山海関、八逹嶺、洛陽、桂林、九龍壁、香妃墓、明考陵、兵馬俑、関陵、円通寺、涅槃像、大観楼、黄布灘、多聞塔、北京の15種類から選べる。サターン版より5種類多く選択できる。アーケードモードをクリアしたときには、写真と共にその写真の場所の名前が表示されるが、オリジナルモードをクリアしたときには表示されない。

ちなみにPS版のオリジナルモードでは、レイアウトと背景がセットになっていて別々に設定することはできない。クリアしたときに出る写真の設定になる。

オリジナルモード クラシック上海(PS版)上海 万里の長城 配列図一覧
オリジナルモード グレートウォール 上海 万里の長城 配列図一覧
オリジナルモード 北京(ベイジン)上海 万里の長城 配列図一覧


■操作

○ボタンで決定、×ボタンでキャンセル。

各種機能の場所にすばやく移動するボタンが用意されていて便利。

L1ボタンまたはR1ボタンを押すとHELPにカーソルが移動する。
L2ボタンまたはR2ボタンを押すとBACKにカーソルが移動する。

■牌のアニメーション

特定の牌を取ると、牌がアニメーションする。アニメーション自体はサターン版と同じ。

花牌=風鈴
季節牌(春夏秋冬)=水と魚
風牌(東南西北)=落ち葉
白=山と寿
發=ししおどし
中=火
一萬、九萬=金貨が落ちる
1ソウ、9ソウ=竹を切る
1ピン、9ピン=的と矢

ただし、PS版では、サターン版と異なり、アニメーション途中の牌の奥の牌を選択することができないという制限がある。加えて、アニメーションがサターン版より時間がかかる牌もある。

そのため、特に制限時間がある設定にしているときに、アニメーション途中の牌の奥の牌を取りたい場合は、まず最初にアニメーション途中の牌がない方の牌を選択するといったテクニックが必要になる。

■オリジナルモードとアーケードモード

スーパーファミコン版、サターン版同様、オリジナルモードとアーケードモードがある。

オリジナルモードでは、レイアウト、背景、BGMなどを選択して1個ずつ楽しむ。

アーケードモードは万里の長城に沿って全30ステージを進む。

以下は主にアーケードモードの内容になる。

■スコア

アニメーションする牌は、取ると300点。他の牌は100点になる。

クラシック上海では、1ステージをクリアすると13200点獲得できる。

■制限時間

アーケードモードは制限時間がある。時間を無限にすることもでき、その場合は、音楽や牌のアニメーションなどを楽しみながらじっくり考えて進めることができる。

牌を取ると時間は少し回復する。回復量は少なめで、アニメーション途中の牌の奥の牌を選択することができないことなども合わさり、サターン版よりもさらに厳しく感じる。

PS版では、残り時間が少ないと専用の曲が流れる。とてもかっこいい曲だが、この曲が流れるということはピンチなので、クリアするためにはあまり聴きたくないという複雑な気持ちの曲。牌を連続で取って時間がある程度回復すると、元の曲に戻る。

■ゲームレベル

OPTIONの「GAME LEVEL」で難度の設定ができる。最初は3で、5が一番難しい。しかし、3でも難しく、5とあまり差がないような気がする。5より3のほうが苦戦したりする。。

■ボーナスステージ

ボーナスステージは9回ある。「HELP+1」「HELP+2」「BACK+1」「BACK+2」「300」「500」の6種類の牌が2つずつ、合計12の牌が裏返しになっている。それを神経衰弱の要領で、2つずつめくり、同じ牌同士であれば取ることができる。

3回ミスすると終了。ちなみに、HELP、BACKは最高3つまで。

HELP・BACKは獲得した個数×100点。

ボーナスステージでは、100×3、100×3、300、500で最大1400点獲得できる。

■HELP

現在取れる牌をまとめて緑色にして知らせてくれる。選択すると黄色になり、その選択した牌で取れる牌も黄色になる。1つ取ると、緑色の表示が消える。

■BACK

スーパーファミコン版では、グレートウォールと北京(ベイジン)では、1つ前までしか戻せなかったが、PS版ではサターン版同様その制限はなく、BACKがある限り、2つ前、3つ前まで戻すことができる。

また、スーパーファミコン版では、グレートウォールのみ、BACKが0でも戻すことができたが、PS版ではサターン版同様、BACKの表示のとおり、BACKが0では戻れなくなっている。

■RESET

タイマーの龍が持っている珠の上にカーソルを置いて決定ボタンを押すと、リセットができる。スーパーファミコン版にはない機能で、サターン版と同じ機能。

リセットするときは、確認ウィンドウが表示される。

そこでYESを選ぶと、HELP、BACKの量はそのままで、ゲームを同じパターンのまま最初からやり直しができる。

ただし、制限時間がある場合、リセット後はペナルティーとして制限時間の減りがものすごく早くなる。かなり困難な気がするほど早く、今までリセットを使ってクリアできたことは2回のみでとてもギリギリ。

手詰まり確定であることに気づいたときに、わずかな可能性に賭けてリセットを使うこともできる。しかし、めったにクリアできず、クリア近くではものすごく緊張するので無理しないほうがいい気がする。

ちなみに、制限時間を無限にした場合は、そのペナルティーがないことになる。

■パスワードとステージセレクト

パスワードは3文字の英数字で、各ステージのパスワードは、サターン版、スーパーファミコン版と同じ。

PS版では、ステージクリア情報がメモリーカードに記録されている。

ステージマップでスクロールが止まったあと左右でステージを選ぶことができる。一回○ボタンを押すとすぐにスクロールやマップ演出が止まるので、ステージセレクトは、マップで一回○を押した後左右で選択するという操作になる。

PS版では最も到達したステージが最初に選択されているので、ステージ1から始めたい場合は、ステージ1まで右を押して戻る必要がある。

右を押したままでどんどん戻ることができる。

スクロールが止まったあとは、○ボタンを押さない限りステージが始まらないので、ゆっくり選ぶことができる。

ちなみに、PS版のマップ画面では、いままで通った道のパーツが飛んできて道につくという演出が追加されていて趣がある。

また、PS版では、マップ画面が表示されているときはいつでもステージセレクトができる。最終関以外のステージをクリアしたあとでステージセレクトすることも可能になっている。

■PS版の特色

PS版のタイトル画面では、前景の万里の長城の建造物を切り取っていて、その前景と後景の間から、日が昇るように上海 万里の長城のロゴがのぼってくる。

ちなみに、タイトル画面やコンフィグ画面でスタートボタンを押す必要はなく、すべて○ボタンで決定して進めるのが便利。

場所によって牌の高低差がわかりにくいことがある。特に暗い背景の場合、2段になっているか、1段なのかの判断が難しく、1段のつもりで取ったら下から牌が出てきたといったことがある。PS版では、高い牌がわずかに明るくなり、低いところにある牌はやや暗く表示されているが、判別は難しい。

サターン版では、コンティニューすると、そのステージをスタートする前のスコアに戻るが、PS版では、0に戻る。加えて、サターン版同様、コンティニューするたびに1点ずつ追加されるが、PS版では、ハイスコアにはそのコンティニュー回数の点は記録されないため、よりハイスコアが正確になっている。

スーパーファミコン版でも、サターン版でも、マップ画面のステージ表示は、「STAGE」だったが、PS版では「ROUND」になっている。

ジャケット裏の「PlayStation専用のBGMとグラフィックスで新たな上海を発見。」という言葉のとおり、ステージごとに新鮮な雰囲気で、何度も第一関から最終関まで通して続けたくなるような魅力がある。

■クラシック上海

スーパーファミコン版、サターン版と異なり、PS版では、アーケードモードでもクラシック上海のみ、残りの牌の数が表示されていて便利。

ノーコンティニュークリアは困難だが、30ステージ通して進めていく間に、とても好調で連続でクリアできることがあり、そのときハイスコアになりやすい。ハイスコアに入らなくても連続でステージをクリアするとうれしい。

各配列の図の一覧の紹介。

上海 万里の長城 クラシック上海 1/3 天下第一関(1)~第十関(10) 配列図一覧
上海 万里の長城 クラシック上海 2/3 第十一関(11)~第二十関(20) 配列図一覧
上海 万里の長城 クラシック上海 3/3 第二十一関(21)~最終関(30) 配列図一覧

■グレートウォール

PS版では、ときどき、グレートウォールのステージが始まる前に少し時間がかかることがあるが、待っていると通常通りに始まる。

連続で突破しやすいことも多いが、制限時間があるとけっこう厳しいときもあり、難しくなる。

各配列の図の一覧の紹介。

上海 万里の長城 グレートウォール 1/3 天下第一関(1)~第十関(10) 配列図一覧
上海 万里の長城 グレートウォール 2/3 第十一関(11)~第二十関(20) 配列図一覧
上海 万里の長城 グレートウォール 3/3 第二十一関(21)~最終関(30) 配列図一覧


■北京(ベイジン)

制限時間を3分(既定)にすると、スーパーファミコン版やサターン版より時間が厳しく、よりスリリングなゲームになっていておもしろい。

各配列の図の一覧の紹介。

上海 万里の長城 北京(ベイジン)配列図一覧

また、北京(ベイジン)で時間無限でノーコンティニュークリアすることができた。とてもうれしい★

最終関の上下6箇所のくぼみをすべて1つ穴を開けたときは、かなりほっとする瞬間に。

上海 万里の長城(PS版)(その2)